安心して食べられるおいしい野菜づくり。 JGAPやワンヘルスの認証を受け、販路も広がりました。

安心して食べられるおいしい野菜づくり。 JGAPやワンヘルスの認証を受け、販路も広がりました。
代表取締役 稲吉 久徳

エイチアイ株式会社

代表取締役 稲吉 久徳さん

大学卒業後、久留米市の農業法人を経て2015年に独立。2018年にエイチアイ株式会社を設立し、農業を基軸に飲食店や美容サロンを展開するなど多角的な会社運営を行っています。高校・大学と柔道の強豪校を卒業した経歴を活かし、現在も現役の柔道選手として活躍。社内の柔道チームは全国や九州の実業団対抗大会に出場し、好成績を収めています。

認証品目
なす
みずな
こまつな
ほうれんそう

「エイチアイ」について教えてください。

私が大学を卒業する頃に父と祖父が相次いで急逝し、東京から地元・久留米に戻ってきました。いずれ跡を継ぐことを考えていたものの、しばらく東京で働いて経営のノウハウを身に着ける予定だったのですが、農業も経営に変わりないと思い、父と祖父が残してくれた土地を使って農業を中心とする事業を興すことにしました。ただ農業の知識はほとんどなくゼロからのスタートだったので、久留米市の農業法人に2年間勤務して、2015年に独立し、2018年に「エイチアイ株式会社」を設立しました。

写真:ビニールハウスが並んでいる
写真:ビニールハウスのなかは青々とした緑の野菜たち

施設1.2ha、露地5aの経営面積から始め、10年たった今では施設2.5ha、露地10haと規模を拡大しています。ほうれんそうの栽培から始め、現在はみずな、こまつな、なすなど栽培品目も増えました。また、水害などのリスクに備え、拠点を置く久留米市北野町のほかに朝倉市にも農地を広げ、安定供給できるように努めています。

写真:白ナスを収穫する様子

そして特にこだわりをもって栽培し、見た目も美しい野菜を「宝石野菜」と名付け、商標登録を受けた自社ブランド商品として販売するなど、ブランディングにも力を入れています。「宝石野菜」の白なすは高級レストランに卸すほか、海外への輸出も行い、高い評価を受けています。

「エイチアイ」ではどのような農業をめざしていますか。

農業を中心に循環する事業を行っていきたいと考えています。現在も農業を基軸にしながら飲食店や美容サロンなどを手がけていますが、今後は農業体験型の宿泊施設のオープンなども視野に入れ、今以上に多角的な農業をめざしていきたいですね。そして海外にも拠点を置き、現地で生産・消費を行うような展開も構想中です。

どのような「ワンヘルス」の取り組みを行っていますか。

会社の規模が拡大するなかで、整理整頓や記録方法などのルールがあいまいになっていることを感じたため、スタッフ全員が共有する統一基準を設けようと2023年にJGAP認証を取得しました。以前から当たり前に行っていたさまざまな取り組みをJGAPの基準に沿うように変えた程度なので、大きな負担なく取得することができたと思います。社内体制を整えることが一番の目的でしたが、JGAP認証農場になったことでおのずと取引先も増え、経営面でも大きなメリットを感じています。

写真:ハウスに虫が入らないように防虫ネットを張っている

そのほかに、害虫の侵入を防ぐため、すべてのハウスに防虫ネットを張り、なるべく農薬散布回数を減らすように努めています。また、肥料は有機物を60%以上含む当社独自のものを使用しています。一般的な化成肥料よりもコストはかかりますが、使用前に比べて系列の飲食店に来たお子さんが野菜を残さず食べてくれるようになるなど明らかな味の変化に繋がりました。

写真:収穫体験に訪れるこども

さらに白なすのハウスでは農業体験も実施しています。畝の間隔を広げたり、茎を支えるワイヤーが引っかからないように変更するなど、安全に体験していただける農場を整えています。特に小さなお子さんは「宝探しだ」と言って白なすの収穫を楽しんでくれているようです。

「ワンヘルス」の取り組みをどう活用していきたいですか。

現在は、出荷する野菜のパッケージに「福岡県ワンヘルス認証」と「JGAP認証農場」のロゴマークを入れて安全性や環境に配慮した生産者であることをPRしています。消費者の方が野菜を買う時の選択基準のひとつになっていればうれしいです。

写真:認証のロゴマークの入った野菜のパッケージ
写真:ビニールハウス内の様子

※インタビューは、2025年8月26日に行われたものです。


認証商品の取り扱い店舗

  • エイチアイ オンラインショップ など