海の環境も働く環境も守りながら、糸島のブランド魚「特鮮本鰆」PRに取り組む。

海の環境も働く環境も守りながら、糸島のブランド魚「特鮮本鰆」PRに取り組む。
糸島漁業協同組合 姫島支所 吉村憲二

福岡県漁業協同組合連合会

糸島漁業協同組合 姫島支所 吉村憲二さん

糸島市の離島・姫島で代々漁師を営む家に生まれ、高校卒業後18歳で漁業の道へ。糸島のブランド魚として知られる「特鮮本鰆」のつり漁のほか、海士(あま)としてウニ漁も行っています。

認証品目
サワラ
姫島のことや、サワラ漁について教えてください。

私が生まれ育ち、いまも住んでいる姫島は玄界灘に浮かぶ小さな島です。糸島半島から約4km離れた所にあり、岐志渡船場から定期船に乗って16分で到着します。島には約150人が暮らし、ほとんどが漁業に携る人たちです。今では糸島の特産となっているサワラですが、私が漁師になった約25年前はほとんど獲っていませんでした。

環境が変化するにつれ、以前はよく獲れていた魚種の漁獲量が減り、糸島近海でサワラが多く獲れるようになったことから、多くの漁師がサワラ漁に取り組むようになりました。 なかでも「特鮮本鰆(とくせんほんざわら)」は糸島漁協が力を入れているブランド魚です。11月1日から4月30日に一本釣りで漁獲した2.5kg以上のサワラを釣ってすぐに活き〆し、氷水冷却したものだけが「特鮮本鰆」という名前で出荷されます。釣ったあとの手間はかかりますが、身の締まりやおいしさは格別です。

ザルにのったサワラ
特選本鰆のシール
吉村さんが行っている漁業について教えてください。

私は釣り漁業を行っています。船から竿を出し、走行しながら漁獲するトローリングという方法でサワラを狙います。網漁のように一度にたくさんの魚を獲ることはできませんが、一本釣りのため魚を傷つけることなくいい状態で水揚げすることができるのが釣り漁業の強みです。サワラ漁は8~4月頃に行い、特に旬を迎える1~2月には大きさも脂ののりも抜群のサワラが獲れます。また、海士(あま)として潜水漁も行っていて、ウニなどを獲っています。

釣り竿に餌を付ける吉村さん
どのような「ワンヘルス」の取り組みを行っていますか?

糸島漁協姫島支所では、私が漁師になる前から毎月第2土曜日を休漁日としています。いくら漁に適した凪の日でも、この日は漁に出ません。もともとは漁師の休息のために設けられましたが、獲りすぎの抑制や、取引価格の下落防止にも繋がっています。例えば土日祝と3連休の場合、3日とも漁を行い、休み明けの市場に出荷すると魚の量が多すぎて単価が低くなるのです。漁師はその分をカバーしようとさらに多くの魚を獲るという悪循環に繋がるので、休漁日を設けることは漁師の経営と、海の資源管理を両立するためにも役立っています。

また、私たちの仕事場である海をきれいにする取り組みも行っています。糸島漁協姫島支所では毎年、海の日がある7月に海岸のクリーンアップデイを設け、組合に参加する漁師みんなで清掃を実施しています。普段からゴミ拾いを心がけてはいるものの、クリーンアップデイにはさまざまなところから流れ着いた多くのゴミが集まります。

姫島の港
姫島の案内図
「ワンヘルス」の取り組みをどう活用していきたいですか?

「特鮮本鰆」のおいしさを広めていくのと同時に、ワンヘルス認証を受けているということをPRして行けたらいいですね。毎年11~12月にかけて「糸島さわらフェア」が行われるので、サワラを味わっていただくのと同時に、私たちの取り組みについても知ってもらえればうれしいです。

※インタビューは、2023年8月29日に行われたものです。


認証品目の取り扱い店舗

  • JF糸島志摩 志摩の四季(糸島市)

※掲載店舗情報は、2023年8月29日現在のものです。