私の父が1967年に創業した「平野養鶏場」を前身とする鶏卵生産の会社です。1950年に福岡市南区で30羽の鶏を飼ったことから始まって徐々に規模を拡大し、現在は朝倉郡筑前町の2か所の農場で約50万羽の成鶏を飼育しています。

また自社のGPセンター（選別とパック詰めを行う施設）では、毎日45万個の鶏卵の生産を行っています。濃厚な黄身やプリプリとした白身が特長の「輝黄卵」など、独自のブランド卵で当社を知ってくださっている方も多いかもしれません。

当社では「ニワトリが健康であってこそ美味しいタマゴを産む」という想いのもと、鶏卵の生産を行っています。例えば鶏舎は平均的な養鶏場に比べ1羽あたりの面積が広く、夏場は微細なミストで空気を冷やすなど、鶏がなるべく快適に過ごせるような工夫をしています。

また、一般的な鶏の配合飼料はトウモロコシや大豆などの穀物が中心ですが、当社では人間同様に鶏も野菜を摂ったほうが健康にいいと考え、アルファルファミール（マメ科の多年草・アルファルファを乾燥させて粉砕したもの）を配合した特別配合飼料を開発しました。この飼料を与えることで、人間に換算すると1日約1kgの緑黄色野菜を摂取していることになります。

栄養バランスのいいエサをおなかいっぱい食べて暮らしている鶏は健康状態もよく、おいしい卵をたくさん産んでくれています。

鶏舎とGPセンターはベルトコンベアで繋がっていて、毎日決まった時間に決まった鶏舎の卵を採卵、洗浄、包装しています。洗浄した卵はヒビ検知器や汚卵検知器、異常卵検知器といった機械を使って検査し、さらに目視も行って規格から外れる卵を取り除くなど厳密な品質管理を行っています。

また、防疫に関する社員の意識・知識の向上も不可欠であると考え、毎月のように外部から講師を招いて勉強会を行っています。おかげで一人ひとりの意識が高まり、この環境を保つことができています。

まず、鶏がかかるさまざまな伝染病発生防止のためにワクチン接種を行っています。卵を産む成鶏に病気が発生した時は治療のために薬を使う必要があり、投薬後の一定期間は卵を出荷できなくなります。

このようなことをなくすために、生育段階であるヒナの時期にワクチンを接種し抗体を作ることで、病気にかかりにくい健康な成鶏となり、安定して卵の生産を行うことができます。また、鶏自身が病気で苦しむことを防ぐことにも繋がります。

そして、安心・安全でおいしい卵を届けるために2017年に「農場HACCP認証」、2019年に「GPセンターHACCP認証」を取得しました。HACCPとは食品の生産工程において危害要因を把握し、除去または低減するために特に重要な工程を管理・記録することで安全性を高める衛生管理の手法です。

例えば当社では、成鶏の鶏舎は「高床式ウィンドレス（窓無）鶏舎」を採用し、病原体保有の可能性がある野鳥の侵入を徹底して防いでいます。GPセンターでは消毒や専用着衣の使用などを徹底して清潔な環境を確保し、さらに全ての卵に紫外線を利用して殺菌処理を行うなど、安全性を高めるためのさまざまな取り組みを行っています。

「福岡県ワンヘルス認証」を取得したことで、福岡県産品ということをアピールできますし、消費者のみなさんに選んでいただく基準のひとつになるかと思います。現在のところ鶏卵でワンヘルス認証を取得しているのは当社だけなので、多くの方に「ヒラノのタマゴ」を知っていただくきっかけになればと思っています。

また、ワンヘルス認証を取得したことで鶏の健康や安全管理への意識をさらに高め、新しい情報を積極的に取り入れながら今後の活動に反映していきたいと思っています。

※インタビューは、2024年9月9日に行われたものです。

認証商品の取り扱い店舗

• 福岡県内の主要スーパー
• ヒラノのタマゴ安野GP、の自動販売機

※掲載店舗情報は、2024年9月9日現在のものです。