会社員から農業の道へ。ワンヘルス認証を受けたアスパラガスを広めていきたい。

会社員から農業の道へ。ワンヘルス認証を受けたアスパラガスを広めていきたい。
永田健一

みやこFARM

永田健一さん

会社員を辞め、2017年にみやこ町で新規就農。現在はアスパラガスを中心に、ピーマンや季節野菜などを栽培しています。食育にも力を入れ、小学生の収穫体験の受け入れや、学校給食用のアスパラガスの出荷なども行っています。

認証品目
アスパラガス
「みやこFARM」とは?

福岡県の北東部、京都郡みやこ町の勝山(かつやま)地区で野菜の生産を行う農家です。この地域は「勝山(しょうざん)アスパラ」というブランドでアスパラガスの生産が約30年前から行われ、「みやこFARM」でもアスパラガスが主力の農産物です。現在はビニールハウス16棟40アールの規模でアスパラガスを生産していて、地域のなかでは最大規模のアスパラ農家となりました。そのほかに、ピーマンを10アール、季節の野菜なども栽培しています。JAに出荷するほか、マルシェなどに出店して販売することもあります。「みやこFARM」の野菜のファンになってくださった方も多く、アスパラガスの売れ行きも好調です。

アスパラガスの束
収穫したアスパラガスを束ねる永田さん
包装され、みやこFARMのステッカーが貼られたアスパラガス
永田さんが農業を始めたきっかけは?

以前は福岡市に住み、飲食関連の会社に勤めていました。単身赴任をしていた時期もあり、忙しさのあまり体調を崩したりしたことも。まだ幼かった子どもとの時間も思うように取れず、これでいいのかと考えるようになりました。仕事柄、食にまつわる施設を見学して食育などについて考える機会が多かったこともあり、農業への関心が高まっていたので思いきって農業への転身を図りました。みやこ町に妻の実家があり、義父が定年退職後に営農組合に参加して農業を行っていたため、ある程度の機器や設備があったことも後押しになりました。その後、2年間の就農研修を受け、3棟のビニールハウスを借りてアスパラガスを作り始めました。私が師と仰ぐアスパラ農家の先輩に生産技術や土づくりをしっかりと教わったおかげで、年を経るごとに収穫も安定し、徐々に規模を拡大しています。

防虫ネットが張られたビニールハウスが連なる、みやこFARMの風景
土から育つ途中のアスパラガス
どのような「ワンヘルス」の取り組みを行っていますか?

「みやこFARM」では、防虫ネットの設置や堆肥の施用を行っています。アスパラガスの天敵といえるアザミウマやヨトウムシなどの害虫から作物を守るため、非常に目の細かい防虫ネットをビニールハウス全体に設置しています。すべてを防ぐことは難しいですが、害虫の大量発生を抑えられるほか、農薬散布の回数を減らすことができるようになりました。また、土づくりには樹皮から作られるバーク堆肥などの有機堆肥を中心に使用するなど、なるべく自然に近い製法を心がけています。食育にも力を入れていて、地域の小学校で出張授業や収穫体験の受け入れも行っています。地域の給食センターは地元産の野菜を積極的に使用しているので、私たちが育てた野菜が給食で使われることもあるんですよ。農業を志したきっかけのひとつが食育への関心だったので、実践できていることがうれしいです。

かごに入ったアスパラガスを抱える永田さん
「ワンヘルス」の取り組みをどう活用していきたいですか?

今年の春に認証を受けたばかりなので、まだまだこれからですが、作物にロゴマークのシールを貼るなどして「ワンヘルス認証」を受けたアスパラガスということを広めていきたいです。現在は北九州地区や京築地区を中心に出荷していますが、今後は関東圏にも市場を広げていく予定なので、「みやこFARM」や福岡県の農産物の信頼度アップにもつなげていきたいと思っています。

※インタビューは、2023年8月1日に行われたものです。


認証品目の取り扱い店舗

  • JA福岡京築 採れたて市場(みやこ町)
  • JA福岡京築 京築恵みの郷 ゆくはし店(行橋市)
  • ルミエール(小倉、苅田地区の一部)
  • イオン(若松、八幡地区の一部)

※掲載店舗情報は、2023年8月1日現在のものです。